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◆ 中根東八幡社神楽の紹介 いつの頃からはわかりませんが、ずっと昔から、名古屋市瑞穂区中根町にある東八幡社では、秋祭りに神楽が奉納されていたようです。笛と太鼓のお囃子だけでしたが、戦前までは氏子の人たちによって代々受け継がれていました。 戦後も昭和30年代までは続いていたようですが、時代が変わってしまったせいか跡を継ぐ人が無く、いつの間にか途絶えてしまいました。昭和34年の伊勢湾台風の影響もあったのかもしれません。残されたものは、昭和33年10月26日に中根東八幡社の社務所で録音されたテープだけで、それも忘れ去られようとしていました。 昭和50年頃から、瑞穂区丸根町で佐竹尺八道場を開いていらっしゃった佐竹正治先生(著名な尺八の演奏家です、平成23年1月4日没)が、途絶えてしまった神楽を再興しようと古いテープから楽譜を起こしました。 オリジナルは13曲あったのですが、そのうちの簡単な5曲を選び、その笛と太鼓を数名のメンバーに教え、昭和54年からは、中根東八幡社の秋祭りで再び笛と太鼓の音を聞くことが出来るようになりました。私もそのメンバーの一人で、20数年間、すっとこの状態で続けてきました。 オリジナルテープは行方がわからなくなってしまったのですが、昭和51年に佐竹先生がカセットテープにダビングしたものだけは、現在も残っています。しかし、カセットテープでは年月が経つにつれて音質が低下してしまうので、平成15年10月24日に、そのテープからサンプリングしてCDを作りました。このサイトの音は、そのデジタルデータを基にしています。 オリジナル13曲をすべて復活させて、50年以上前の姿を再現しようと、平成16年10月にこのホームページを立ち上げたところ、いろいろな方からお教え頂き、中根東八幡社の神楽がすべて熱田神楽の一部であることもわかりました。神楽の研究のために、あちこちに出かけて資料を集め、いろいろデータの蓄積もできました。熱田神楽・宮流神楽に関する研究の成果は、「宮流神楽とお囃子」という別サイトを立ち上げ、そちらにまとめてあります。 平成17年からは、子供たちを集めて、本来の熱田神楽の流儀に沿った形で笛や太鼓を教え、少しずつ形も整ってきました。とりあえず、私はすべての曲を吹けるようになりましたが、長い曲は初心者にはなかなか難しく、子供たちと一緒に全曲演奏することは、まだ遠い先のことになりそうです。 また、子供たちに笛を教える過程で、笛を作る必要性にせまられ、塩ビ管でいろいろ試行錯誤しながら、宮流神楽笛を作りました。設計図を完成させるのに、いろいろ理論的な考察も行いましたので、その経験も、皆さんの参考になるだろうと思い、一緒に載せてあります。 最近は、塩ビ管で能管まで大量にできるようになりました。鳴海裏方祭りの城之下町や、本地祭りの星崎大道町などに寄付したら、それぞれ何十人もの子供たちが祭りで塩ビ管能管を吹くようになり、とてもうれしく思っています。 音源は、昭和33年10月26日に録音されたものですが、その2日後の10月28日に、井戸田神楽連(津賀田神社)の公開録音会が開かれ、井戸田でも神楽・お囃子のすべてが録音されています。中根と井戸田は同じ瑞穂区内で、1.5km程度しか離れておらず、まだテープレコーダーが一般的に広まっていなかった時代のことを考えると、何らかの関連があるのかもしれないと思っています。これについては、「宮流神楽とお囃子」サイトの中の、津賀田資料を見てください。 ただ、関連するデータはいろいろ集まったものの、中根東八幡社の神楽自体に関する資料は、残念ながら皆無です。もし、中根東八幡社に関係するような情報が何かありましたら、是非、私(kanocl@sa.starcat.ne.jp)に教えてください。よろしくお願いいたします。 また、どこかで途絶えてしまった地元の神楽を復活させようと考えていらっしゃる方がありましたら、できる限りお手伝いいたしますので、お便りください。 ◆ 中根東八幡社秋祭りの様子
中根東八幡社の例大祭は、10月15日に一番近い日曜日ということになっているので、たいてい第2日曜日ですが、たまに、第3日曜日になることもあります。神楽は、朝9時頃から始めます。10時頃になると子供たちの獅子やお神輿が神社に集まってきて、にぎやかになります。11時頃から神事が始まりますので、その間、神楽はお休みです。 神事は45分ぐらいで終わるので、また神楽を再開しますが、子供たちの獅子やお神輿も行ってしまうので、閑散としたところで吹いているだけになります。1時頃になると広場で「棒の手」が始まるので、神楽はそこでお終いとなります。3時に餅投げがあって、お祭りは終了です。
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