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筒音の音程と笛の長さ (実験その2) |
◆ 実験のデザイン 実験01で内径13mmの塩ビ水道管で作った横笛の筒音データが得られたので、内径の違いがどのような影響を与えるかを調べるために、内径16mmの水道管で、同じような実験をやってみました。 細かい方法論的なことは、実験01と同じです。 ◆ 実験結果 距離は、「唄口の中央から管尻までの距離」のことで,共鳴で言う「気柱の長さ」に相当します。 音程はすべて周波数(Hz)で表しており、連続3回計測の平均値をとっています。
◆ グラフ 1倍音(呂音)と2倍音(甲音)をグラフにして、内径13mmの筒音と比較してみました。 青い線が内径13mmのもので、赤い線が内径16mmのものです。 X軸は唄口の中央から管尻までの距離(mm)、Y軸は周波数(Hz)です。 まず、明らかに内径16mmの筒音の方が、13mmのものより周波数が低いということです。 また、管の長さが短くなるのつれて、周波数の差は拡大して行く傾向にありそうです。これが、周波数に比例しているかどうかは、後で調べることにします。
◆ 近似式 内径13mmと内径16mmのものの周波数で、近似式を算出してみました。方法については、実験01を見てください。 なぜか内径16mmの方は、偏差がとても小さくなりました。 x: 気柱の長さ(mm) y: 周波数(Hz)
◆ 開口端補正 16mm水道管横笛の開口端補正を計算してみたのが以下の表です。(単位はmm) 方法については、実験01を見てください。
13mm水道管の場合には、倍数が大きくなるにつれて開口端補正も大きくなってゆきました。もちろん、今回のものが単なる測定誤差かもしれません。しかし、それで済ませてはいけない気もするので、この2倍音と3倍音の開口端補正がほとんど同じという結果について、私なりに考えてみました。 仮説ですが、開口端補正の値または、開口端補正値/波長の比がある程度以上大きくなると、音の波の胴が筒の外へどんどんはみ出してしまい、定常波にならなくなってしまうのではないかと思うのです。 開口端補正の値を下げる = 音のピッチを上げる ということは、式を見れば明らかですから、3倍音の時には、開口端補正が大きすぎてうまく音が出ないために、無意識のうちに強く吹いて音のピッチを上げ、開口端補正の数値を下げたのではないでしょうか。 ◆ オクターブ比 2〜4倍音の周波数を1倍音の周波数で割って、その比率を見てみました。
13mmの水道管の場合は、筒音のオクターブ比は管の長さが変わっても変化しませんでしたが、この16mm水道管で見る限りは、気柱の長さが長くなるにつれてオクターブ比が下がってくるように見えます。どちらが、正しいのかはっきりしませんが、要するに、開口端補正のグラフをにおいて、1倍音と2倍音のグラフが平行なのか、気柱の長さが長くなるのにつれて差が小さくなってゆくのかということです。 誤差が大きすぎて、よくわかりませんね。 |
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